ゴメスの名はゴメス 流砂
(C)1967 松竹
石油会社の技師坂本は二年間の砂漠暮しを終えて帰国の途中、香港にいる山仲間の香取を訪ねたが香取はまるで何者かに追われるように姿を消した。不審に思った坂本は彼のアパートを訪ねて香取の知人というハーフの梨花、魯奇刑事、通信員森垣らに出会ったが、彼らは何故か香取を探すことを揃って反対した。その帰途、坂本は殺人事件に出くわし、被害者は「ゴメスの名は……」と謎の言葉を残して死んだ。翌日、ゴメスと名乗る男から、殺人事件のことは口外無用、と脅しの電話を受けた坂本は、香取と馴染みだというダンサーのヴェラを探した。ヴェラは不在で、坂本は妖しい美女園子に誘われて踊った。その夜、ホテルに帰った坂本を待っていたのは見知らぬ男の死体で、坂本の身辺で起る重なる殺人事件に、魯刑事からスパイではないかと疑われた。